【3分で紹介】落語「品川心中」のあらすじとオチ(サゲ)
品川心中のあらすじ
品川宿で長年売れっ子の花魁だったお染。
しかし、年増になり売上は徐々に厳しく、いよいよお金を工面をすることができなくなった。
いっそ死んでしまおうかと思うが、お金がなくなって死んだと思われるのは恥ずかしい。
どうせなら心中が良いだろうとお染は男の物色を始めた。
そこで心中相手に貸本屋の金蔵が選ばれた。
金蔵の性格から、こいつなら死んだほうが世のためになるだろうとお染は考えたのだった。
お染は金蔵に心中したいと打ち明けると、当然金蔵は迷うがなんとか説得し、お染と金蔵は心中を決行する。
川に飛び込むのを目前に踏ん切りがつかない金蔵。
お染がそんな金蔵を海の桟橋からが落とすと、そのタイミングで若い衆から金を工面できるとの吉報が入った。
既に飛び込でしまった金蔵を置いて、お染は心中は取りやめにし、喜んで去って行ってしまう。
一方で、海が浅かったので生還した金蔵は、お染に仕返しをするため親分らと協力し幽霊を演じる。
金蔵の幽霊が出たと噂になりお染も騙されるが、本物の金蔵が現れるとお染が怒り出す。
金蔵は、あまりにお染が客を騙すので「びくに(魚篭に・比丘尼)されたんだ」とからかうのだった。
オチ(サゲ)の種類
地口オチ
主な登場人物
お染
品川宿の遊女。長年遊郭で働いていたが、お金を工面できずに心中を決意する。
金蔵
貸本屋の男。お染の心中に巻き込まれるが生還し、親方たちとお染に仕返しする。
親分・留公
金蔵の親分と子分の留公。お染と金蔵の心中騒ぎを知り、お染に仕返しを画策する。
「幕末太陽傳」での映像化
品川心中は、「居残り佐平次」を脚本のベースとした映画「幕末太陽傳」(1957年・川島雄三監督)で、「お見立て」「三枚起請」などの落語と並んで映像化されています。
左幸子がお染、金蔵を小沢昭一が演じており、両者の演技力の高さが評価されています。
映画のワンシーンでは、金蔵(映画では金造)が遊女たちに心中物の貸本を薦めているシーンがあります。
遊女たちに、「縁起でもない」と笑われつつ、「品川心中って話はないのかい?」なんてことを言われています。鬼才・川島雄三監督の演出の細やかさが垣間見えるシーンとなっています。